原著
産婦人科領域に於ける内分泌機能異常婦人の色素沈着に就て
村山 文子
1
1内野病院
pp.233-235
発行日 1951年6月10日
Published Date 1951/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200494
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緒言
婦人で,皮膚の特定部位に出現する色素沈着に就ては,美容上に,支障を來す外に,何等の苦痛も伴わないものであるから,一般に研究對象としての興味をもたれていないせいか報告も少い樣である。一方皮膚粘膜の色彩の表現法としても極めて漠然とした言葉を以て記載せられている。例えばアヂソン氏病の皮膚色を青銅色と言い,或は黒人種樣暗褐色と言うが如く,統一を缺いている。實際皮膚の色彩を精密に觀察して見ると多樣な色調があつて,例えば妊娠時に於ける乳暈の色素沈着でも,赤色調が強かつたり黒色調が強かつたり一定していない。
筆者は健康婦人と内分泌機能障碍の患者との身體各部の皮膚色素沈着とを比較して見て兩者に相違あることを發見することが出來た。
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