特集 性器捻轉の臨牀
症例研究
自然離斷せる卵巣類皮嚢胞腫の大網癒着後莖捻轉を再發せる1例
明石 政雄
1,2
1慶應義塾大學醫學部産婦人科教室
2下谷病院産婦人科
pp.430-432
発行日 1950年11月10日
Published Date 1950/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200403
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緒言
卵巣嚢腫の自然離斷は1748年Morgagniに依て屍體解剖時に1892年Martinに依て手術時に初めて發見報告された。その後報告例は相當多數に上るがVogtに依れば,卵巣嚢腫の莖捻轉は7.8%,Grotenfeltに依れば1.2%であつて稀なものである。而も自然離斷をした卵巣嚢腫が大網に癒着し,強度の捻轉を起した例は更に稀である。最近著者は下谷病院に於て自然離斷をした卵巣類皮嚢胞腫が大網に癒着し,更に捻轉を起した稀有なる例を經驗したのでここに報告する次第である。
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