今月の臨床 経腟超音波を使いこなす
婦人科腫瘍の鑑別診断
6.卵巣類皮嚢胞腫
町田 芳哉
1
,
上妻 志郎
1
,
武谷 雄二
1
1東京大学医学部産婦人科
pp.568-574
発行日 1998年4月10日
Published Date 1998/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903252
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卵巣類皮嚢胞腫は,良性腫瘍の半数以上を占めておりその正確な診断は臨床上きわめて重要である.とくに妊娠中に発見されることが多く,超音波検査診断の果たす役割は大きい.本腫瘍では内部に骨・脂肪・毛髪,その他多種多様な組織がさまざまな割合で含まれるため,多彩な超音波像を示す.超音波学的特性は経腹法,経腟法のいずれであっても同様であるため,経腟法による診断上のポイントも本質的には経腹法によるものと変わらない.多くの卵巣腫瘤では経腟法のほうが明瞭に描写されるが類皮嚢胞腫では必ずしもそうではなく経腹法のほうがよい場合もある.本稿では,経腹法および経腟法による類皮嚢胞腫の診断について述べる.
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