増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
産科編
XI 産褥期のマイナートラブル
尿閉/尿失禁
有馬 香織
1
,
宮内 彰人
1
1日本赤十字医療センター産婦人科
pp.361-362
発行日 2014年4月20日
Published Date 2014/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103764
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疾患の概要
尿閉
尿閉は,膀胱に貯留した尿を排出できない状態である.分娩の0.5%程度に合併するが,多くは退院前に自然に改善する.妊娠中は増大した子宮により膀胱が引き伸ばされ,尿管の運動機能も低下,拡張しやすい.分娩時には児頭の圧迫により膀胱粘膜が障害され,神経麻痺による排尿困難を引き起こす.さらに会陰の創部痛により排尿時に腹圧がかけにくいこともあり,産褥期には尿閉が起こりやすい.
尿失禁
尿失禁は3~26%の褥婦に分娩後3~6か月みられる.帝王切開分娩に比べ経腟分娩ではリスクが高い.切迫性尿失禁が多く,妊娠中に多い腹圧性尿失禁は産褥期には改善する.
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