増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
産科編
VII 偶発合併症妊娠
細菌性腟症/GBS感染症
倉澤 健太郎
1
,
高橋 恒男
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター総合周産期母子医療センター
pp.300-302
発行日 2014年4月20日
Published Date 2014/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103744
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疾患の概要
細菌性腟症(bacterial vaginosis : BV)は,乳酸桿菌を主体とする正常腟内細菌叢が好気性・嫌気性の複数の過剰増殖した菌種に置き換わった状態である.30%程度の妊婦が罹患しているともいわれているが,半数以上は無症状である.診断はWHO(Amsel)の診断基準が臨床的であるが,近年では客観的な評価としてNugent Scoreを利用することが多い.有症状の場合は治療が必要になるが,無症状でも20週未満の早期治療介入が早産を予防しうることがわかってきた.
B群溶血性連鎖球菌(Streptococcus agalactiae : GBS)は,10~30%程度の妊婦の腟・大便中から検出される比較的ありふれた菌であるが,時に新生児の敗血症や髄膜炎を起こす.わが国ではGBS保菌者から感染児が出生する確率は約2%と推計されている.検査では,妊娠33週から37週に1本あるいは2本の綿棒を用いて腟鏡を使用せず腟入口部と肛門内(あるいは肛門周囲部)から検体を採取する.
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