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編集後記
倉智 博久
pp.288
発行日 2014年3月10日
Published Date 2014/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103629
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昨年のプロ野球では,セリーグ・パリーグとも,「破られてはならない?」大記録が塗り替えられた年でした.セリーグでは,ヤクルトスワローズのW. バレンティン選手が,王貞治選手が1964年に打ち立てた年間55本のホームラン記録を大きく上回る60本の年間ホームラン数を記録しました.パリーグでは,東北楽天ゴールデンイーグルスの田中将大選手が2013年のシーズンは24連勝1S・無敗,その前年のシーズンを含めれば28連勝という圧倒的な成績を残し,プロ野球の投手部門の賞はもちろん,スポーツに関連する様々な賞を総なめにしました.
この新たな2つの記録は,それまでの記録や記憶が,王選手と稲尾投手という伝説的な選手によるものであったという共通点がありました.王選手の年間55本という記録は,「とくに外国人選手には破られてはならない」という暗黙の了解が一部にはあった,と聞いて唖然としました.2001年の近鉄・T. ローズ選手と2002年の西武・A. カブレラ選手は2人とも年間55本で,王選手と並ぶ記録で終わっています.これが,もしも多少でも作為によるものであるとすれば,そのような狭い了見は願い下げです.
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