書評
―位藤俊一(編)―乳房画像診断最前線─超音波診断を中心に
遠藤 登喜子
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1独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター高度診断研究部・放射線科
pp.1229
発行日 2013年12月10日
Published Date 2013/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103556
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本書は37名の共著による乳房の画像診断を臨床的観点からまとめた書である.超音波診断を中心にマンモグラフィ,CT,PET/CT,MRIと,乳房に関わる画像診断を,あくまで「臨床家」の観点で,画像診断を臨床に用いる場合には画像の基本を理解して欲しいという方針で作成されており,乳腺診療をこれから始める,あるいは現在も乳腺診療に従事しているけれど画像理論は避けてきた方々にも,無理なく手に取ることができる.
構成は,いきなり,「乳房超音波画像診断における新しい技術と他のモダリティの位置付け」で始まり,続いて乳腺疾患の概念を伝える「総論 : 病理」,続いて各論としての「超音波検査の従来法と新技術」,「超音波以外の主な検査法(各モダリティによる評価の基本)」と技術の解説が続き,続いて「ケースファイル」により頻度の高い疾患の紹介され,「術前画像評価による治療方針の決定」では薬物療法の治療効果判定,ラジオ波焼灼療法や凍結療法実施のための画像診断と治療効果判定,画像ガイド下のインターベンションなど,治療チームを意識した内容が展開されている.
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