症例
サーバリックス®により生じた脂肪萎縮症の1例
三田村 康貴
1,2
,
占部 和敬
1
,
古江 増隆
2
1国立病院機構九州医療センター皮膚科アレルギー科
2九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野
pp.982-984
発行日 2013年9月10日
Published Date 2013/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103499
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要旨
18歳,女性.3週間前から出現した右上腕の萎縮,陥凹を主訴に当科を受診した.5か月前にHPV(human papillomavirus)16/18に対する子宮頸がんワクチン(サーバリックス®)を同部位に筋肉内注射されていた.モルフェア,深在性エリテマトーデスなどの鑑別目的に皮膚生検を施行した.病理組織学的検査では病変の主体は皮下脂肪織にあり,脂肪細胞の変性および消失が認められた.ヒアリン様物質の沈着,脂肪滴を貪食する組織球を認めた.サーバリックス®による脂肪萎縮症と診断した.一般にステロイド局所注射により脂肪萎縮症をきたすことが多く,女性に多いことが知られている.サーバリックス®による脂肪萎縮症の報告は調べえた限りなく,きわめて稀であると考えられた.婦人科医師は本疾患を認識し,対策を取る必要があると考えたため報告する.
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