今月の臨床 性感染症と母子感染─最新の診断と管理
母子感染
最新の管理法
12)HTLV-1
三浦 清徳
1
,
築山 尚史
1
,
増﨑 英明
1
1長崎大学医学部産科婦人科学教室
pp.152-162
発行日 2013年1月10日
Published Date 2013/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103257
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●ヒトT細胞白血病ウイルス-1型(HTLV-1)は,成人T細胞白血病(ATL)やHTLV-1関連脊髄症(HAM)の原因ウイルスである.
●HTLV-1は,主に母乳を介して母子感染を起こす.
●ATLやHAMの発症を完全に阻止する治療手段はなく,HTLV-1母子感染症の現時点における制御戦略は母乳感染を予防することが最も有効かつ重要である.
●HTLV-1キャリア妊婦の1次スクリーニング検査(PA法もしくはCLEIA法)で陽性例もしくは疑陽性例には,ウエスタンブロット法を用いた確認検査の実施が必要である.
●ウエスタンブロット法を用いたHTLV-1抗体検査には10~15%の判定保留例が存在するため,最終判定にはPCR法を用いたDNA検査が有用である.
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