今月の臨床 子宮頸癌─予防と妊孕性温存のための治療戦略
予防戦略
5.次世代HPVワクチンの開発
川名 敬
1
1東京大学医学部産科婦人科学
pp.1225-1231
発行日 2011年10月10日
Published Date 2011/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102804
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HPV感染を阻止することが,子宮頸癌の発生を制御することにつながると期待されている.現行のHPVワクチンは,その安全性と感染予防効果が証明され,世界中で使われている.ワクチン導入後,HPV関連疾患が減少しはじめているという報告もある.しかし,このHPVワクチンにはいくつかの問題点があり,これだけで子宮頸癌の制御が可能であるとは考えられていない.
そこで,さらなる有効性をめざした次世代HPVワクチンの開発が進んでいる.すべてのHPVタイプの感染を予防する「全タイプ型のHPV予防ワクチン」と,すでに感染により発病したHPV関連疾患を治療する「HPV治療ワクチン」である.
本稿では,現在開発が進んで近い将来実用化されようとしている次世代HPVワクチンを紹介する.
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