今月の臨床 不妊診療のABC─ARTの前にできること
不妊原因診断とARTの前の対処法
11.男性不妊―乏精子症・無精子症,性交障害
谷口 久哲
1
,
松田 公志
1
1関西医科大学泌尿器科学講座
pp.1166-1169
発行日 2011年9月10日
Published Date 2011/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102786
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乏精子症・無精子症
■概念
不妊の原因のうち,明らかな男性因子が約20%,双方の原因が約30%といわれ,約50%が男性側にも原因があるといわれている.乏精子症(oligozoospermia)とは精子濃度が20×106/mL未満の場合,無精子症(azoospermia)とは精液中に精子が存在しない(遠心分離で確認)ものをいう.男性不妊症の原因としては(1)造精機能障害,(2)精路通過障害,(3)性機能障害,(4)副精器機能異常・そのほかに大別されるが,そのほとんど(約90%)は造精機能障害である.造精機能障害は原因が特定されない特発性が約70%と最も多く,ほかの基礎疾患として染色体異常,精索静脈瘤,停留精巣,内分泌障害が挙げられる1, 2)
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