今月の臨床 母子感染─新しい制御戦略
妊婦健診における感染検査
小畠 真奈
1
,
濱田 洋実
1
1筑波大学産婦人科
pp.980-985
発行日 2011年8月10日
Published Date 2011/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102745
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妊婦健診における感染症検査の目的は,母子感染予防である.
わが国における妊婦健診は,地方自治体により制度や補助金の額は異なるものの,諸外国と比較して回数も多く,受診率も高い.元来,妊婦健診は,母体の健康管理のために行われてきたものであるが,胎児超音波や血液検査の診断の進歩に伴い,出生前から児の管理を行う機会が増えてきている.妊婦健診の最重要項目の1つである感染症のスクリーニングは,母子感染予防対策の基本となる一方で,妊婦が望むと望まざるとにかかわらず出生前診断の端緒となる可能性を有している.2011年3月に発行された「産婦人科診療ガイドライン産科編2011」1)では,妊婦健診における感染症スクリーニングの推奨度を示しているが(表1),妊婦健診を担当する産婦人科医は,各スクリーニング項目について熟知し,妊婦にその結果を説明し,適切な指導を行う義務がある.
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