今月の臨床 静脈血栓塞栓症─予防・診断・治療
肺血栓塞栓症の診断
小野 雄一
1
,
山本 剛
2
,
横田 裕行
1
1日本医科大学付属病院高度救命救急センター
2日本医科大学付属病院集中治療室
pp.137-141
発行日 2011年2月10日
Published Date 2011/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102566
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はじめに
わが国での2006年の疫学調査によると,急性肺血栓塞栓症の発症数は約8,000例であり,この10年間で約2倍に増加している1).急性肺血栓塞栓症は緊急を要する重症疾患の1つであり,救命のためには迅速な診断,重症度に応じた適切な治療が必要である.本症は特異的な症状や理学所見に乏しいため,診断が困難であるといわれている.一方,産科・婦人科領域ではその疾患や治療法の特徴から(表1),本症を併発する可能性は決して少なくない2).本稿では典型的な画像所見と早期診断のポイントを中心に概説する.
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