今月の臨床 ここが聞きたい―不妊・不育症診療ベストプラクティス
II 不妊の治療 D生殖補助医療(ART)
【調節卵巣刺激法】
71.GnRHアンタゴニストを用いた調節卵巣刺激の実際と長所および短所について教えてください.
福井 淳史
1
,
藤井 俊策
1
,
水沼 英樹
1
1弘前大学医学部産科婦人科
pp.558-560
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102060
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[1]GnRHアンタゴニスト法の実際
体外受精・胚移植(IVF─ET)を施行する際には,複数の成熟卵子を得るためにhMG製剤やrhFSH製剤による卵巣刺激が行われている.しかし,卵巣刺激の際にpremature LHサージが起こってしまうと,採卵前に排卵してしまったり,卵の質が低下してしまったりして,IVF─ETの成績低下を招いてしまう.このpremature LHサージを防止するためにGnRHアゴニストやGnRHアンタゴニストが用いられる.
GnRHアンタゴニストは,GnRHアゴニストと異なりゴナドトロピンのflare─upがなく,また直接下垂体を抑制するので,短時間で迅速に作用させることが可能である.GnRHアンタゴニストには四世代あり,第一世代はヒスタミン遊離作用が強く臨床応用には至らなかった.現在臨床に用いられている製剤は第三世代のcetrorelixとganirelixであり,本邦で使用可能なGnRHアンタゴニストは2006年に発売となったcetrorelix(セトロタイド®)である.
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