今月の臨床 ここが聞きたい―不妊・不育症診療ベストプラクティス
II 不妊の治療 A女性因子に対する薬物療法
【インスリン抵抗性改善薬】
51.卵質不良の改善にインスリン抵抗性改善薬は有効でしょうか.処方の実際について教えてください.
小田原 靖
1
,
吉井 紀子
1
,
保坂 猛
1
,
祖母井 英
1
1ファティリティクリニック東京
pp.486-489
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102040
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[1]はじめに
多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome:PCOS)の症例に対する不妊治療薬としてメトホルミンなどのインスリン抵抗性改善薬が広く用いられている.しかしながら,その適用と有効性についてはさまざまな意見がある.当院は主にART治療を行っているため,一般不妊治療で排卵に至らない,排卵を誘発しても妊娠に至らない,あるいは単一卵胞発育が困難で多胎のリスクを伴う場合,などの理由でART治療を前提として来院するPCOS症例が多い.しかしながら,このような症例にARTを行ってみると年齢に比して卵質,胚質が不良であるケースがみられる.本稿では卵質不良の改善という観点からインスリン抵抗性改善薬の有効性について論じてみたい.
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