今月の臨床 性感染症up to date
【性感染症への対応と治療】
4.肝炎ウイルス
菅内 文中
1
,
溝上 雅史
2
1名古屋市立大学大学院医学研究科消化器・代謝内科
2国立国際医療センター国府台病院 肝炎・免疫センター
pp.157-161
発行日 2009年2月10日
Published Date 2009/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101961
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
肝炎ウイルスはA型肝炎ウイルス(HAV),B型肝炎ウイルス(HBV),C型肝炎ウイルス(HCV),D型肝炎ウイルス(HDV),E型肝炎ウイルス(HEV)の5種類が広く認知されている.さらに一時はHGV(GBV-C),TTウイルス,SENウイルスが提唱されたが,現在は肝炎ウイルスとしては認知されていない.また,ほかにEBウイルス(EBV)やサイトメガロウイルス(CMV)のような全身随伴症状の1つとして肝炎を伴うものは肝炎ウイルスに含めないのが一般的である.HBVはDNAウイルスで,その他はRNAウイルスである.感染経路は主としてHAVとHEVは経口感染で,HBV,HCVとHDVは血液感染である(表1).STD(sexually transmitted disease)として認められているのはA,B,CおよびD型であるが,わが国における急性肝炎発症やキャリア化の点からはA,B,C型肝炎ウイルスが臨床的に重要となる.本稿では,性感染症としての肝炎ウイルスとしてA,B,C型肝炎について述べる.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.