連載 病院めぐり
嬉野医療センター
一瀬 俊介
1
1嬉野医療センター
pp.1365
発行日 2008年10月10日
Published Date 2008/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101887
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嬉野市は佐賀県西部に位置する人口3万5千人の小さな温泉町です.この小さな町に病床数424床の総合病院があるのは,旧大日本帝国海軍佐世保基地を控え,戦傷者を治療するためにあった旧嬉野海軍病院が昭和20年12月1日,厚生省に移管され国立嬉野病院として発足したからです.当院は佐賀県西部にある唯一の総合病院として,その守備範囲は広く,北は伊万里市,南は太良町,東は多久市,西は長崎県中部に及んでいます.また,嬉野市内には産婦人科を開業されている先生方がいらっしゃらないため,この地域の産婦人科の診療を行える唯一の病院として重い責任を担っていると思います.症例は産科関係から婦人科関係まで幅広く分布しています.しかしながら,最近では分娩数が減少し産科関係の症例よりも婦人科関係の症例が優位を示しつつあります.
平成16年,全国の国立病院は行政改革による統廃合が完了し,独立法人として民営化されました.当院も国立療養所武雄病院と統廃合し,独立行政法人国立病院機構嬉野医療センターと名前を変え,心臓血管外科,脳神経外科,神経内科,総合内科などが新設されました.常勤医師数も約2倍の64名(レジデントと臨床研修医を加えると70名)となりました.当院は,臨床研修指定病院,日本医療機能評価機構認定病院,地域がん診療連携拠点病院,そのほか各種学会の専門医や認定医制度の研修病院などの指定を受けており,この地区の基幹病院として活動しています.また,付属看護学校が併設されており,講義,実習などを通じて,病院のあちこちに若さの力を感じることができます.
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