今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション
ここが聞きたい105例の対処と処方
VI そのほか
【外陰掻痒症】101.難治性で再発を繰り返す外陰掻痒症の患者です.
前村 俊満
1
,
田中 政信
1
1東邦大学医学部産婦人科
pp.642-643
発行日 2007年4月10日
Published Date 2007/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101534
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1 痒みの定義そして概念
外陰掻痒症は,日常診療において若年者から老人まで訴えることのある疾患である.不定愁訴的な患者も多く,診断,治療に苦慮するケースも少なくない.今回は難治性で再発を繰り返す症例を中心に外陰掻痒症について述べる.
「痒み」は掻痒または痒感ともいわれ,「掻破したいという欲望を起こさせる不快な感覚である」と定義されている 1).掻痒は炎症性疾患のみならず,全身疾患の一症状としても発症することがあり,多種多様な疾患との関連が指摘されている.以前,痒みは痛みの前段階であると考えられていたが,最近,痒みと痛みとは違う神経線維より伝達されていることが明らかになった 2).しかし,痒みと痛みで類似する点も多く,真実の解明はこれからと思われる.
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