今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション
ここが聞きたい105例の対処と処方
II 内分泌
【更年期障害(ホルモン補充療法)】44.めまい,頭重感を主な症状とする更年期障害の患者です.
井上 善仁
1
1福岡大学医学部産婦人科
pp.489-491
発行日 2007年4月10日
Published Date 2007/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101477
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1 診療の概説
頭重感,めまいは更年期障害の部分症状として頻度の高い症状である.日本産科婦人科学会・内分泌委員会が本邦の更年期障害患者の症状について調査し,提案した「日本人女性の更年期症状評価表」にも「頭痛・頭重感」と「めまい」が項目として採用されている 1).更年期診療でよく用いられるKupperman indexにも「めまい」は含まれている.さらに頭重感や頭痛はうつ病でもよくみられる症状であり,特に精神症状より身体症状を強く訴えるいわゆる仮面うつ病では頻繁に認められる.更年期がうつ病の好発年齢であることもあり,更年期外来で「頭痛・頭重感」や「めまい」を訴える患者に遭遇する可能性はかなり高いといえよう.その一方で,これらの症状は中枢神経系疾患,内科的全身疾患,耳鼻咽喉科疾患などでもよくみられる症状であり,まず必要となるのはその原因を明確にすることである.
本稿では,めまいに焦点を絞って述べることにする.
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