今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション
ここが聞きたい105例の対処と処方
I 周産期
【下痢(妊娠中)】17.激しい急性の下痢を訴えている妊婦です.
望月 昭彦
1
,
高橋 健太郎
1
,
野田 洋一
1
1滋賀医科大学産婦人科
pp.392-393
発行日 2007年4月10日
Published Date 2007/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101447
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
1 診療の概説
下痢とは,経口摂取される水分量と消化管からの分泌液が,小腸や大腸での吸収能力を上回った結果,糞便の状態が軟便や水様便となった状態である.
糞便中の水分量が増加する原因としては,腸管液(胃液,膵液,小腸液)の分泌が著しく亢進した分泌性下痢,水分の吸収能力が低下した吸収不良性下痢,腸管の蠕動運動が亢進した運動機能亢進性下痢があるが,多くは複合して下痢を生じている.
急性下痢の主な原因は,病原体,毒素および薬物である.慢性下痢では,神経性下痢,過敏性腸症候群などの精神心因性や,炎症性腸疾患,甲状腺機能亢進症,薬物の服用などが原因となる.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.