今月の臨床 中高年女性のトータルヘルスケア
メタボリックシンドローム
2.閉経後の高コレステロール血症─MEGAスタディが教えるもの
朝倉 正紀
1
,
北風 政史
1
1国立循環器病センター臨床研究開発部
pp.920-923
発行日 2007年7月10日
Published Date 2007/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101418
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はじめに
日本においては欧米に比較して心筋梗塞をはじめとした虚血性心疾患罹患率は低いとされている.女性の虚血性心疾患の発症率は男性と比較して少ないため,高コレステロール血症を有する女性に対して,男性に対して行われる薬物療法と同様に行うべきか否かに対しては,はっきりとしたエビデンスがなく,議論の的になっている.しかしながら,近年の生活習慣の欧米化により,虚血性心疾患の危険因子を合併する人口の増加とともに,複数の危険因子を抱える虚血性心疾患症例が増加していると考えられる.最近,閉経後の女性における高コレステロール血症に対する薬物療法による冠動脈疾患の発症率軽減効果を検討したMEGA試験のサブ解析が報告された.本試験の結果は,世界ではじめて,閉経後の女性において,スタチンが冠動脈疾患の発症を抑制することが可能であることを示唆した臨床試験となった.本試験の概要,結果について解説する.
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