今月の臨床 生殖内分泌と不妊診療の最新データ
性成熟期
7.多毛と男性化症
坂田 正博
1
,
田坂 慶一
1
,
村田 雄二
1
1大阪大学医学部産科婦人科
pp.432-435
発行日 2000年4月10日
Published Date 2000/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903992
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アンドロゲンは卵巣と副腎で産生され,その過剰は,多毛hirsutism,にきび,無月経,男性化徴候を呈する.そのなかでも多毛がアンドロゲン過剰の場合に最初に出現する症状である.今回は,多毛を中心として解説する.
多毛とは,通常女性に発毛のみられない部位すなわちアンドロゲンに依存して発毛がみられる部位に毛が存在することと定義される.その部位とは,正中を中心とした上唇,顎,前胸部,上腹部,下腹部,背部,腰部,また前腕背側や大腿内側である.うぶ毛lanugo,眉毛,まつ毛の発毛はアンドロゲンに依存しない.腋毛,陰毛は副腎由来のアンドロゲンに依存する傾向がある.逆に頭髪はアンドロゲンによって,とくに側頭部で退行する.多毛には,にきび,月経不順・無月経を伴うことも少なくない.
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