今月の臨床 PCOS─新たな視点
PCOSの診断と治療
3.外科的治療
宇賀神 奈月
1
,
林 和俊
1
,
深谷 孝夫
1
1高知大学医学部産科婦人科学教室
pp.1181-1183
発行日 2006年9月10日
Published Date 2006/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101275
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はじめに
1935年,SteinとLeventhalが多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome : PCOS)症例で卵巣部分切除を行ったところ正常月経周期の回復と妊娠成立が認められたと報告した1).その後「卵巣楔状切除術」2)として広く知られるようになったが治療効果は一時的であり,術後癒着をきたすことや薬物による排卵誘発法が開発されたことでほとんど行われなくなっていった.しかし近年,腹腔鏡下手術の普及に伴いこの卵巣楔状切除術に代わる新たな外科的治療法として腹腔鏡下卵巣多孔術(laparoscopic ovarian drilling : LOD)が行われるようになった.また最近では経腟的腹腔鏡下卵巣多孔術(transvaginal hydrolaparoscopic ovarian drilling)についての報告もなされており3),より低侵襲な方法によりに排卵を回復させる工夫が進んでいる.
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