今月の臨床 無痛分娩・和痛分娩ガイダンス
I.無痛分娩の概要
局所麻酔について
9.脊髄麻酔の方法および利点と欠点について教えて下さい.
佐藤 哲文
1
,
中塚 秀輝
1
1岡山大学医学部・歯学部附属病院麻酔科蘇生科
pp.378-379
発行日 2004年4月10日
Published Date 2004/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101183
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1 はじめに
脊髄くも膜下麻酔に用いられる局所麻酔薬の多くは,知覚神経のみでなく,運動神経も遮断する.運動神経遮断は分娩の進行に影響を与える可能性が大きく,分娩時の麻酔法としては局所麻酔薬を用いる脊髄くも膜下麻酔は不向きであると考えられてきた.また脊髄くも膜下麻酔により,妊婦では仰臥位低血圧症候群による血圧低下が起こりやすいことや,硬膜穿刺後頭痛の発生の問題から脊髄くも膜下麻酔は無痛分娩にあまり行われてこなかった.
しかし最近では,低濃度の局所麻酔薬や低用量の脂溶性オピオイドの使用によって,運動神経遮断を最小限に抑えることで分娩の進行に影響を与えず,分娩時の痛みを抑制することが可能であることが知られてきている1).
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