連載 ここまできた婦人科日帰り手術 1
婦人科日帰り手術の現況
井上 裕美
1
1湘南鎌倉総合病院産婦人科
pp.89-95
発行日 2003年1月10日
Published Date 2003/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101109
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1 はじめに
1995年10月に湘南鎌倉総合病院に日帰り手術センターが開設されてからはや7年が経過しようとしている.婦人科以外にも多くの患者が手術当日にこのセンターに入り,隣の手術室で手術を受け,そして夕方帰っていく.初めて卵巣嚢腫の手術をして当日帰った患者を玄関まで送った日が懐しく思えてくる.内視鏡下手術と呼応するように行われた「婦人科日帰り手術」はさまざまな要素が関係し,そしていろいろな要素がこのシステムを後押ししていた.1997年には腹腔鏡下手術後に日帰りした患者は2人であったが,この7年間でそのような患者は350名を超えようとしている.いま間違いなくいえることは,このシステムは「患者のための医療」の一環としてのよい評価,そして一方では批判的評価などさまざまな評価を受けながらも,患者の治療法選択の1つになりつつあるということである.いま当院で行われている婦人科日帰り手術について,産婦人科学というより,産婦人科医療として振り返りながら,今後の展望についても述べてみたい.
このシリーズでは,術後,翌日退院までの症例(広い意味での日帰り手術)も検討に入れて,全体としてはminimally invasive surgeryについて検討してみたいと思う.
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