今月の臨床 UAE―子宮筋腫塞栓療法
UAEのインフォームド・コンセント
盛本 太郎
1
,
岡井 崇
1
1昭和大学医学部産婦人科
pp.902-905
発行日 2003年7月10日
Published Date 2003/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100873
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はじめに
インフォームド・コンセントという用語には「説明と同意」,「十分な説明,理解,納得,同意」などさまざまな訳語が用いられており,医療行為を行ううえで欠かせない重要な概念となっている.インフォームド・コンセントの具体的な作業過程としては,①医師が患者に病状や診断を説明し,その治療法についての推薦順位を含めて選択肢を示す段階(informed choice),②それらの選択肢の中から患者の自己決定権を行使して,自分の受けたい医療を自主的に決定する段階(informed decision),③これらの段階を経て同意(informed consent)を得て同意書を作成し署名する段階に分けて考えることができる1).この中で医療者として重要なのは治療法の選択肢についてそれぞれの成績,合併症を正確にわかりやすく伝えることである.
本稿のテーマはUAEのインフォームド・コンセントに関するものであるが,UAEを治療の選択肢に加えていない施設も多く,子宮筋腫治療法としてのUAEをどのように位置付けるかに関してはまだ評価は定まってはいない.しかしマスメディア,インターネットを通じ,UAEに関する知識は確実に浸透しており,産婦人科医師として意見を求められるケースが今後,増加すると考えられる.以下にこのテーマに関する筆者の意見を述べてみたい.
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