病気のはなし
卵巣癌
谷川 道洋
1
,
大須賀 穣
1
1東京大学医学部附属病院女性診療科・産科・女性外科
pp.93-99
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207879
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Point
●卵巣癌は加齢とともに増加する成人病で,人口高齢化に伴い罹患数および死亡数ともに増加傾向にあり,女性器悪性腫瘍のなかで最も死亡者数の多い疾患である.
●一般の癌では5%程度である遺伝性症例が10〜20%程度と多く,BRCA1/2遺伝子の変異により起こる遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)が70%程度を占める.
●卵巣癌は,超音波断層法・CT・磁気共鳴画像(MRI)・陽電子放出断層撮影(PET)などの画像診断,膀胱鏡,大腸内視鏡,腫瘍マーカーを用いて悪性の診断および治療介入前の評価を多角的に行う.
●早い段階から腹膜播種を起こして進行した状態で診断されることが多く,術前化学療法などの化学療法の工夫や分子標的治療の導入により治療成績の大幅な向上が期待される.
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