今月の臨床 Urogynecology
骨盤内臓器下垂・脱の治療
1.骨盤内臓器下垂・脱の保存療法 : 新型ペッサリーの開発
佐藤 浩一
1
,
可世木 久幸
2
,
十藏寺 新
1
,
井上 保
3
,
朝倉 啓文
2
,
竹下 俊行
2
1(医)清新会東府中病院産婦人科
2日本医科大学産婦人科学教室
3株式会社北里サプライ
pp.804-807
発行日 2004年6月10日
Published Date 2004/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100542
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はじめに
子宮脱,下垂の保存的治療に対し,従来わが国で多く使用されているリングペッサリーは,装着時挿入困難なもの,装着後嵌頓して用手的抜去が困難なもの,自然脱落,滑脱してしまうものがあった.また,装着後の装着感が必ずしも良好でない症例もあった.さらに全子宮脱,不全子宮脱ともに多くは膀胱脱を合併しており,併せて治療する必要がある.
このように従来使用されてきたリングペッサリーにはさまざまの欠点があるにもかかわらず,これまでその改良は十分になされてこなかった.これに対して,われわれは子宮脱,膀胱脱治療に有用な新型ペッサリーの開発を目的とする研究を行っている.本稿では,われわれの研究の足跡を紹介する.
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