今月の臨床 胎児疾患の管理─胎内治療の時代を迎えて
胎児外科手術─今後の展望
仙尾骨奇形腫
津﨑 恒明
1
1公立八鹿病院産婦人科
pp.1264-1267
発行日 2005年9月10日
Published Date 2005/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100395
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はじめに
仙尾骨奇形腫(sacrococcygeal teratoma : 以下,SCT)は小児奇形腫の代表的疾患で,全奇形腫の23~41%を占め,出産40,000に1例の頻度とされる.女児に多く,組織学的には成熟奇形腫が最多(63%)であるが,悪性奇形腫群腫瘍も25%存在する1).
SCTは仙尾部や仙骨下端から発生し,発育様式は,①骨盤外に突出する後方発育型(Altman I型)が最も多く,②骨盤内外に連なる亜鈴型(Altman II型およびIII型)が次いで多く,③骨盤内のみの前仙骨型(Altman IV型)は比較的少ないとされる1).自験例は後方発育型(Altman I型)と超音波診断したが(図1),のちの手術時所見ではAltman II型であった.
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