原著
手術を受ける婦人科腫瘍患者のQOL
松下 年子
1,2
,
村田 比奈子
1
,
松島 英介
1
,
坂田 優
3
,
宮坂 尚幸
3
,
麻生 武志
3
1東京医科歯科大学大学院心療・緩和医療学
2国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科
3東京医科歯科大学大学院生殖機能協関学
pp.919-925
発行日 2005年6月10日
Published Date 2005/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100359
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
近年,治療ないし医療の評価として,生存率や治癒率といった数量的指標に加え,QOL(quality of life)のように,生活や人生の質的側面を重視する立場からこれら質的特性を数量化した指標が取り入れられるようになってきている1).特に,手術を受ける婦人科腫瘍患者の場合は,一般の周術期におけるストレスに加え,女性性の観点,つまり女性としての自己イメージや性機能の変化2~11)および妊孕性温存の問題などから,精神的葛藤は高いことが予想される.わが国においては,婦人科癌をはじめとする婦人科腫瘍患者の,身体的側面のみならず心理社会的な側面をも包含するQOLの視点から,その実態を調査した報告は欧米に比べてはるかに少ない.
そこで本研究では,手術を受ける婦人科腫瘍患者を対象に入院中および退院前後におけるQOL,さらにそれらとほかの臨床要因との関連を追跡する目的で,自記式質問紙を用いた面接調査を実施した.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.