特別講演
わが国脊椎外科の歩み
岩原 寅猪
1
Torai IWAHARA
1
1慶応義塾大学
pp.1108-1113
発行日 1975年12月25日
Published Date 1975/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908536
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わたくしが歩んできた40年ないし45年のあとをふりかえつて,脊椎外科,おもにわが国における脊椎外科の発展変遷の歴史についてお話ししたいと存じます.
脊椎に関係した外科の歴史はそう古いものではありません.Horsley(1889)の椎弓切除術laminectomy,Kocher(1896)の腰椎椎体切開術lumbovertebrotomy,Ménard(1894),Heidenhein(1900)の肋骨横突起切除術costotransversectomy,Henle,Albec(1911)の脊椎固定術spondylodesisなどはいずれも19世紀末から20世紀初頭にかけて創められたものであります.脊椎脊髄損傷がThorburn(1889),Wagner & Stolper(1898),Mastkorb(1911)らによつて相いついで大きくとりあげられたのもまたこの時期であります.
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