Japanese
English
論述
胸椎,腰椎圧迫骨折後の残存愁訴の危険因子についての検討
Risk Factors for Chronic Low Back Pain in Vertebral Compression Fractures of Thoracic and Lumbar Spine
吉田 裕俊
1
,
高橋 誠
1
,
川崎 修平
1
,
張 禎浩
1
,
後藤 敏
1
Hirotoshi Yoshida
1
1諏訪中央病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Suwa Central Hospital
キーワード:
thoracic and lumbar spine
,
胸椎
,
腰椎
,
compression fracture
,
圧迫骨折
,
residual symptoms
,
残存愁訴
Keyword:
thoracic and lumbar spine
,
胸椎
,
腰椎
,
compression fracture
,
圧迫骨折
,
residual symptoms
,
残存愁訴
pp.1099-1106
発行日 1997年10月25日
Published Date 1997/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908344
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:胸腰椎圧迫骨折の治療に際し,経時的に骨折椎体の変形が進行し,時に保存的治療に抵抗性の腰背部痛を残存することがある.そこで,安静臥床のみで治療された36症例について椎体変形の経時的変化を観察し,骨癒合完成後の腰背部愁訴について検討した.その結果,腰背部愁訴を後遺した9例の骨癒合完成後の椎体圧潰率は50%以上,局所後弯角は30°以上であり,8例はT12,L1椎体の骨折であった.腰背部愁訴に関して相関を認めたのは,骨癒合完成後の局所後弯角のみであった.受傷時の椎体のMRI輝度変化領域が小範囲に留まるものでは椎体変形の進行は軽度で,腰背部愁訴を残すことはなかった.従って,T12,L1椎体の骨折で楔状変形を呈し,受傷時既に局所後弯を形成傾向にあり,受傷時のMRI輝度変化領域が広範囲なものでは腰背部痛を残存する可能性があり,可及的に整復位を獲得可能な治療法を選択するのが望ましいと考えられた.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.