Japanese
English
臨床経験
ジュニア・テニス選手に生じた比較的稀な坐骨枝と恥骨下枝との結合部疲労骨折の1例
Stress Fracture of Pubic Ramus in A Young Tennis Player
范 廣宇
1
,
阪本 桂造
1
,
藤巻 悦夫
1
Fan Guang Yu
1
1昭和大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, University of Showa
キーワード:
疲労骨折
,
stress fracture
,
恥骨下枝
,
pubic ramus
,
テニス
,
tennis
,
若年者
,
juvenile
Keyword:
疲労骨折
,
stress fracture
,
恥骨下枝
,
pubic ramus
,
テニス
,
tennis
,
若年者
,
juvenile
pp.771-774
発行日 1989年6月25日
Published Date 1989/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908136
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抄録:疲労骨折は下肢特に脛骨に関する報告は多いが,骨盤部に見られる疲労骨折は稀である.今回われわれは,スポーツによって惹起された10歳女児の左坐骨枝と恥骨下枝との結合部に発生した疲労骨折を経験した.
スポーツによって惹起された本邦症例は自験例を含めて17例を数えるが,本例が10歳と本邦における最年少例であった.この患児は9歳で東京都ジュニア・テニス大会2位となり,翌年の優勝を目ざし1日3時間以上の激しい練習を行っており,打法はフォワードが片手打ちで左足をステップインし,左足に重心をかけ,バックは両手打ちで腰をひねって打つものである.このため内転筋や膝屈筋群の緊張と骨盤輪の振れが左側の坐骨・恥骨下枝の軟骨結合部(ここは軟骨性脆弱部位であると同時に解剖学的に細い部分でもある)に歪みとして慢性的に働き,疲労骨折を招来したと考えた.
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