Japanese
English
臨床経験
大腿外側顆骨化障害の1例
A Case Report of Localized Epiphyseal Dysplasia of the Lateral Femoral Condyle
池上 博泰
1
,
足立 秀
1
,
朝妻 孝仁
1
,
丸岩 博文
1
,
岡田 衛生
1
,
冨士川 恭輔
2
,
柳本 繁
2
,
伊勢亀 冨士朗
2
Hiroyasu Ikegami
1
1大田原赤十字病院整形外科
2慶応義塾大学医学部整形外科学教室
1Orthopaedic Surgery, Ootawara Redcross General Hospital
キーワード:
epiphyseal dysplasia
,
生物学的膝関節形成術
,
biological knee reconstruction
Keyword:
epiphyseal dysplasia
,
生物学的膝関節形成術
,
biological knee reconstruction
pp.763-766
発行日 1989年6月25日
Published Date 1989/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908134
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:大腿外側顆後部の骨化障害によると思われる巨大な膝関節内遊離体の1症例を経験したので報告する.症例は19歳男性,右膝関節痛を訴えて当科を受診した.X線写真上,右大腿外側顆後部の欠損と分節状の不整骨化を思わせる遊離骨片が認められた.持続する疼痛とロッキング様症状の原因を,この遊離骨片によるものと診断し,遊離体を摘出した後,大きく欠損した外側顆を右腸骨から採取した骨片で再建し,Kワイヤー2本で固定した.術後1年半,抜釘時の所見では,移植骨片は完全に生着し,関節面は均一な軟骨様組織で覆われていた.術後2年の現在,疼痛,可動域の制限はみられず経過良好である.
本症例は,①明らかな外傷がなく,経過が長いこと,②若年であること,③大腿外側顆後方骨端部であること,④非常に大きな遊離体であること,⑤病理組織学的所見などから,Sprangerの述べるlocalized epiphyseal dysplasiaが無症候性に経過したものと考えた.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.