Japanese
English
臨床経験
Plexiform neurofibromaを基盤として発生したと考えられる乳児悪性神経鞘腫の1例
A Case of Malignant Schwannoma Arising in Plexiform Neurofibroma of Infant
中島 久弥
1
,
渡辺 久照
1
,
高桑 俊文
1
,
牛込 新一郎
2
,
山崎 誠
3
,
三好 邦達
3
Hisaya Nakajima
1
1聖マリアンナ医科大学病理学教室
2東京慈恵会医科大学第一病理学教室
3聖マリアンナ医科大学整形外科学教室
1Department of Pathology, St. Marianna University School of Medicine
キーワード:
乳児悪性神経鞘腫
,
malignant schwannoma of infant
,
免疫組織化学
,
immunohistochemical study
,
電顕所見
,
electron microscopic stud
Keyword:
乳児悪性神経鞘腫
,
malignant schwannoma of infant
,
免疫組織化学
,
immunohistochemical study
,
電顕所見
,
electron microscopic stud
pp.671-675
発行日 1989年5月25日
Published Date 1989/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908119
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:悪性神経鞘腫は30〜50歳に多く,小児発生例は稀で,10歳以下の報告例は少ない.生後1年以内に発症する例は極めて稀である.今回,われわれは足背に発生したplexiform neurofibromaを基盤としたと考えられる乳児悪性神経鞘腫を経験したので報告する.
生後3日目に右足背の母斑を指摘され,その後,その外側に腫瘤が出現した.生後3カ月時に,本院外来を受診し,その後増大傾向を認めたため腫瘍摘出術が施行された.腫瘍は肉眼的に薄い結合織性被膜に包まれ,弾性軟である.その割面は淡黄白色髄様で分葉状を呈している.組織学的には肥大した神経束及びplexiform neurofibromaを示す部分の他に,細胞密度の高い,核分裂像の多い,核異型をもつ悪性神経鞘腫を示す部分も認めた.免疫組織化学的にはS-100蛋白が強陽性を示した.電顕的にはlong cytopIasmic process,そのinterdigitation,basal lamina,desmosome like junctionを認めた.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.