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第14回ASIA(American Spinal Injury Association)学会が1988年5月2日から4日まで,アメリカ西海岸の風光明媚な地,サンディエゴのホテルでDonovan会長のもとで開催された.本学会は日本ではほとんど知られていないため,今回の我が国からの出席者は釼持,上田両氏(国立療養所村山病院),福井氏(国立東京第二病院)と小生のグループ4名のみであった.日本のパラプレジア学会にあたるような学会であるが,医師(整形外科医,脳外科医,泌尿器科医)のほかにPT(理学療法士),OT(作業療法士),看護婦,心理学者も出席して,医師と併列して発表していた.なおアメリカにも他に全米パラプレジア学会,全米リハビリテーション学会があり同じような演題が発表されているとのことであった.
今回の学会には,180題の応募があり,うち85題が口演に,54題がポスター発表として採用されていた.口演会場は2会場で,発表が10分,質疑が5分と余裕のある学会運営で,出席者は約400名であった,一般演題は大きく16のsessionにわかれ,各sessionとも5〜6名の発表がすんでから台上で一括討論が行われた.各sessionの内容は,1.general medical topics,2.cervicai spine surgery,3.psychosocial issues,4.diagnostic imaging,5.functional restoration,6.sexuality/fertility,7.outcomes,8.thoracolumbar spine surgery,9.trauma and reconstruction surgery,10.urologic care,11.central cord syndrome,12.respiratory care in SCI,13.prevention,14.american paraplegia society papers-1987,15.research forum,16.therapeutic recreation symposium,であったが,出席層の関係から脊髄損傷の予防,診断,外科的治療,リハビリテーションと多岐にわたっていた.バイオメカなどの準基礎的な発表が少ないことも特色であった.特に印象に残ったものは,session 5の両下肢完全麻痺患者に対し,膝伸展,屈曲筋および股外転筋を電気刺激し約1時間の歩行を可能とするシステムや,従来の大腿からのgait orthosisに改良を加え,より実際に則した歩行を可能にする発表があった.
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