Japanese
English
臨床経験
陳旧性長内転筋皮下断裂の2例
Two Cases of Old Rupture of Adductor Longus
今村 安秀
1
,
平良 勝成
1
,
奥村 栄次郎
1
,
徳橋 泰明
1
,
大野 研二
1
,
大幸 俊三
1
,
佐藤 勤也
1
Yasuhide Imamura
1
1日本大学医学部附属駿河台病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Nihon University Hospital
キーワード:
長内転筋
,
adductor longus
,
陳旧性断裂
,
old rupture
Keyword:
長内転筋
,
adductor longus
,
陳旧性断裂
,
old rupture
pp.1411-1414
発行日 1987年12月25日
Published Date 1987/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907745
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抄録:長内転筋皮下断裂の報告は1895年Abbe以来欧米では23例あるが,本邦ではわれわれの調べ得た範囲では未だ報告されていない.受傷機転として,長内転筋が収縮している状態で強大な股関節外転力が加わった場合が考えられる.診断は,詳細な病歴聴取,触診にて大腿内側近位部に可動性の軟部腫瘤を触れ,抵抗を加えて股関節を内転させると腫瘤が中枢側へ移動し,腫瘤の末梢側に陥凹を触知することである.X線診断には,軟線撮影,CTが有用である.軟線では腫瘤形成が,CTでは内転筋の部分消失が認められる.鑑別を要する主な疾患としては,大腿ヘルニア,血腫,軟部腫瘍等がある.治療については,新鮮例では,可及的早期に断端縫合を行うことが機能的に良い結果が得られるとする報告がある.陳旧例では,特に症状のないものに対しては経過観察のみで,何らかの愁訴のあるものに対して,筋切除,または断端縫合を行う.
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