Japanese
English
論述
Aneurysmal bone cystの成因について(その2)—脈管学的検査結果から
Consideration about the Pathogenesis of Aneurysmal Bone Cyst (No. 2): by Angiographic and Cystographic Findings
石田 俊武
1
,
大向 孝良
1
,
宋 景泰
1
,
奥野 宏直
2
,
石川 博通
2
,
高見 勝次
2
Toshitake Ishida
1
1大阪市立大学医学部整形外科学教室
2日生病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Osaka City University Medical School
キーワード:
動脈瘤様骨嚢腫
,
aneurysmal bone cyst
,
血管造影
,
angiography
,
嚢腫造影
,
cystography
,
嚢腫内圧
,
manometric pressure in cystic cavity
Keyword:
動脈瘤様骨嚢腫
,
aneurysmal bone cyst
,
血管造影
,
angiography
,
嚢腫造影
,
cystography
,
嚢腫内圧
,
manometric pressure in cystic cavity
pp.915-923
発行日 1985年8月25日
Published Date 1985/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907239
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抄録:Aneurysmal bone cystの成因に関して,Lichtensteinが発表した局所の血管の形成異常のために血流の停滞を生じ血管が拡張して内圧が高まりその器械的な圧迫のために骨組織を破壊して病巣が発生拡大するとの器械的圧迫説につき,症例が長管骨のメタフィーゼに多発し,しかも偏心性に拡大する傾向をもつことから疑問を感じた.偏心性に拡大するのであればむしろremodellingに関係するosteoclastの活動を主と考える方が理屈に合う.器械的な圧迫説が症例でも適応しうるか否か,血管造影および嚢腫造影を施行して検討した.血管造影では,造影剤が嚢腫状に貯溜して圧迫しつつ拡大しているような所見は全くみられない.嚢腫造影でも,造影剤の入った嚢腫を取り囲んで病巣組織が存在し,嚢腫内圧は17.6mmHgで周囲を圧迫して著明に拡大する圧ではない.以上の所見から,嚢腫内の血液の圧迫は極めて弱く二次的なもので,主役は病巣組織内に存在するosteoclastまたはosteoclast様細胞の活動と考える.
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