Japanese
English
臨床経験
Cefoperazoneの関節包と関節液への移行性の検討
Study on the Penetration of Cefoperazone into Articular Capsule and Synovial Fluid
白川 貴浩
1
,
岸本 郁男
1
,
森下 忍
1
,
森田 純弘
1
,
島田 恭光
1
,
三田村 有二
1
,
太田 利夫
1
,
辻 卓司
1
,
小野村 敏信
1
Takahiro Shirakawa
1
1大阪医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Osaka Medical College
キーワード:
セフォペラゾン
,
Cefoperazone
,
抗生物質濃度
,
antibiotic concentration
,
関節包
,
articular capsule
,
関節液
,
synovial fluid
Keyword:
セフォペラゾン
,
Cefoperazone
,
抗生物質濃度
,
antibiotic concentration
,
関節包
,
articular capsule
,
関節液
,
synovial fluid
pp.791-795
発行日 1987年6月25日
Published Date 1987/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907654
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抄録:静脈内に投与したCefoperazoneの血中及び関節組織内濃度を測定し,その移行性について検討した.対象は主として股及び膝関節形成術を行った21例である(股関節18例,膝関節3例).Cefoperazone 2gを術前30分間で点滴静注し,点滴終了後1乃至4時間後に静脈血及び関節包を同時に採取し,可能なものには関節液を採取した.各検体の抗生物質濃度は薄層カップ法により測定した.点滴終了後4時間までの平均値では股関節,膝関節症例ともに血清,関節液,関節包の順に高濃度を示し,股関節症例では4時間値においても関節包内濃度の平均値は17.3μg/gと高濃度が維持されていた.股関節症例に対してarea under the curve(AUC)法を用いて薬物動力学的解析を行うと,関節包及び血清中のAUC1hr→4hrは各々93.65μg・hr/g,175.15μg・hr/gであり,血清から関節包への移行効率は53.5%と良好な移行性を示した.これらの結果から関節手術に際しての予防的な抗生物質投与の方法について,参考となるいくつかの示唆が得られた.
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