Japanese
English
臨床経験
脊髄円錐部に発生し,馬尾部に嚢胞形成した上衣腫の1例
A Case of Ependymoma Originated in Conus with Cyst Formation in Cauda
平木 秀樹
1
,
原田 憲正
1
,
東 文造
1
,
山本 利美雄
1
Hideki Hiragi
1
1大阪厚生年金病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Osaka Koseinenkin Hospital
キーワード:
脊髄円錐部
,
conus
,
上衣腫
,
ependymoma
,
嚢胞形成
,
cyst formation
Keyword:
脊髄円錐部
,
conus
,
上衣腫
,
ependymoma
,
嚢胞形成
,
cyst formation
pp.1427-1430
発行日 1985年12月25日
Published Date 1985/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907312
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抄録:症例は34歳の主婦で,腰痛と両下肢しびれをもって発症した.脊髄造影にて第2腰椎部に欠損を認め,脊椎管内腫瘍との診断で手術を施行した.肉眼的には,脊髄円錐部に発生し,馬尾部に嚢胞形成した腫瘍を認めた.組織学的には,典型的なependymomaで,Kernohanのmyxopapillary typeに属するものと考えられた.術後,軽度の知覚障害,排尿障害を残すも徐々に軽快している.
Ependymomaは,一般に側脳室,第4脳室に発生するgliomaに属する比較的良性の腫瘍である.統計的には,脊髄腫瘍の2〜3%と稀である.Cushing,Baileyによって中枢神経の発生段階で分類されている.胸腰椎移行部と頸椎部に多く,myxopapillary type,cellular typeが多い.完全摘出例は,予後良好であり,部分摘出例でも放射線照射の効果が認められている.
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