膝関節内前十字靱帯再建術（Jones法）の遠隔成績

Long Term Result of Jones Procedure to Compensate for Anterior Cruciate Ligament Deficiency

はじめに

　1968年Slocum^20）に始まる回旋不安定膝の論議は枚挙にいとまがない．特に前十字靱帯機能不全に起因するanterolateral rotatory instability（以下ALRI）に関しては，その病態はほぼ確立された感があり，手術法も種々発表されている．すなわちpivot shift repair^10），Ellison法^9），Losee法^12），biceps transfer^2,13）などの回旋制御を目的とした関節外再建術，およびこれに関節内再建を併用する関節内外再建術^15）などがあり，我々も最近では，これらの術式を，症例に応じて使い分けている．

　一方，これらの再建術は膝関節の重要な支持組織を用いるため，その機能の消失や低下は免れないとの考えから，腱移植，あるいは人工腱などの研究も復活しつつある．