症例検討会 骨・軟部腫瘍23例
症例12—左殿部・大腿軟部腫瘍(Extraskeletal myxoid chondrosarcoma)
須田 昭男
1
,
渡辺 好博
1
,
高橋 信英
1
,
高橋 知香子
1
,
笠島 武
2
,
今井 大
2
1山形大学整形外科
2山形大学第2病理
pp.498-500
発行日 1981年5月25日
Published Date 1981/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906351
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
患者:47歳,女性.主訴は左大腿部痛.昭和44年頃,左大腿部後面の硬い腫瘤に気付いたが,疼痛が無いため放置.その後,腫瘤は徐々に増大し,昭和49年12月,某医で数個の超鶏卵大の腫瘍摘出を受け,chondromyxoid fibromaの病理組織診断を受けている.昭和52年3月頃,左殿部および左大腿部に腫瘍が再発し,左大腿部痛が出現したため,昭和53年1月当科に入院した.入院時検査成績は,軽度の血沈亢進のほか異常が認められなかつた.胸部X線写真で両肺野に多数の小結節状陰影がみられたが,昭和50年の胸部X線写真では異常がみられなかつた.Gaシンチグラフィーで異常集積像はみられず,血管造影で悪性像がみられなかつた.左大腿部腫瘍の生検を行い,myxomaの組織診断を受けたあと,約1,700gの巨大な腫瘍を前回手術による瘢痕組織,大腿筋膜の一部および大殿筋付着部を含め摘出した.
腫瘍と坐骨神経の癒着はみられなかつた.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.