論述
整形外科手術後におけるDICについて
篠田 侃
1
,
田口 厚
1
,
川添 達雄
1
,
上野 武久
1
,
井手 迪
1
,
菅 尚義
1
,
山口 博志
2
Tadashi SHINODA
1
1長崎原爆病院整形外科
2長崎原爆病院整形内科
pp.220-225
発行日 1978年3月25日
Published Date 1978/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905679
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はじめに
人口の老齢化とともに,老人の骨折が増加しているが,最近では麻酔学の進歩と外科的療法の進歩によつて早期離床が可能となつてきた.それとともに,相当の高齢者まで社会復帰が可能となつてきた.しかし,その反面,受傷時すでに造血系,循環系,神経系の障害を合併している症例がほとんどで,これらをいかにして骨接合→骨癒合→後療法→社会復帰のコースを辿らせるか苦心するところである.特に血液疾患を有する例の術前の全身症状の改善,術後の血液疾患の悪化や余病の併発の予防に心を悩ますところである.われわれは,大腿骨頸部骨折の手術後に発症したDIC(Disseminated Intravascular Coagulation)を経験したので,これを中心に高齢者,ことに血液疾患を有する整形外科領域での外科的療法について述べたい.
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