カラーシリーズ Microsurgery・3
切断肢再接着術(Limb replantation)
玉井 進
1
1奈良県立医科大学整形外科
pp.198-201
発行日 1978年3月25日
Published Date 1978/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905675
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〔概説〕
完全に切断された四肢をもとどおりに再接着し,さらにその機能をも回復させるということは,今世紀における画期的な進歩である.1962年,Maltらによる成功が端緒となって,現在では世界的に広く普及しており,適応を選べば,80〜90%の再接着成功率が得られるまでになっている.しかしすべての組織が同一レベルで切断され,かつそれらを同時に修復するという本手術の特殊性から,満足な機能回復を得ることは決して容易ではない.
再接着肢の機能に関与する因子としては,一次的には受傷レベル,組織損傷の程度,阻血時間,患者の年齢があり,二次的因子としては血行状態,神経再生,筋・腱・関節機能などが考えられるが,さらに手術に当る外科医の技術と意欲,患者の協力なくしては,良好な結果を期待することはできない.
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