論述
多椎体にわたる頸椎後縦靱帯骨化に対する前方除圧術の検討
上小鶴 正弘
1
,
山浦 伊裟吉
1
,
藤井 紘三
1
,
四宮 謙一
1
,
磯部 饒
1
Masahiro KAMIKOZURU
1
1東京医科歯科大学医学部整形外科学教室
pp.416-424
発行日 1977年5月25日
Published Date 1977/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905522
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今日,頸椎後縦靱帯骨化によるmyelopathyに対する観血的治療として,椎弓切除術,Cloward法やSmith-Robinson法による前方固定術,前方除圧術(椎体亜全摘による骨化巣摘出,あるいは骨化摘出を行わずに脊柱管拡大のみを図る方法)など,いくつかの術式が選択適用されるようになつてきたことは,本症の治療体系確立上に意義あることである.
このように術式が多様化するに至つた過程は,従来一般的に施行されてきた椎弓切除術のみでは必ずしも満足し得る成績が得られない場合があり得ること,また前方から後縦靱帯骨化が脊髄を高度に圧迫するとき,椎弓切除を行うと,脊髄のdefbrmationを招来せしめ,必ずしも脊髄の除圧効果が十分に得られるとは限らないなどの理由による.
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