カラーシリーズ 手の外科・10
手の腫瘍および腫瘍類似疾患
田島 達也
1
1新潟大学整形外科
pp.784-787
発行日 1976年9月25日
Published Date 1976/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905396
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概説
手の領域にみられる腫瘍および腫瘍類似疾患については以下のような特徴が指摘できる.
(1)Ganglion,epidermoid cyst,mucous cystなど変性要素をもつ腫瘍類似疾患が多い.
(2)滑膜性腱鞘の巨細胞腫,結節性滑膜炎,sarcoidosisなど炎症要素をもつ腫瘍類似疾患が多い.
(3)血管腫,リンパ管腫(拡張症),動静脈瘤,exostosis,enchondromatosisなど先天異常ないし過誤腫の範疇にはいる腫瘍が多い.
(4)悪性腫瘍については上皮性,非上皮性,および原発性,転移性にかかわらず少い.ただX線曝射等による慢性潰瘍の悪性化は過去において往々みられた.
(5)爪周辺には比較的稀であるがglomus腫瘍melanoma等の特徴ある腫瘍が発生する.
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