特集 腰部脊柱管狭窄の諸問題
第4回脊椎外科研究会印象記—病理,病態,診断の部—主として造影所見
井上 駿一
1
,
辻 陽雄
1
Shunichi INOUE
1
,
Haruo TSUJI
1
1干葉大学医学部整形外科学教室
pp.772-774
発行日 1976年8月25日
Published Date 1976/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905393
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筆者らが座長をつとめたBセクションは表のような13題が発表された.病態,病理,およびレ線特殊診断の一部がこのセクション中に含まれるという大変幅広い範囲にわたつたため座長の不手際もありまとまりを欠いた点を先ずお詑びしなければならない.spinal canal stenosisの概念がVerbiest(1954)らによつて成人の腰痛起因疾患として登場して以来,後部脊柱における病的状態に再び注目し一種のentrapment syndromeとして詳細に検討しなおされ腰痛の病態論に1石を投じた点は評価されるが反面既存の椎間板ヘルニア,変形性脊椎症,分離辷り症,無分離辷り症など一連の「椎間板症」の病態をこのspinal canal stenosisの概念とどのようにマッチさせて行くかが大問題となつている.いわば従来の疾患を縦に見る行き方に対し横断的に"stenotic condition"として新しくとらえる行き方であるため現状では発表者個々にとつてspinal canal stenosisの内容のとらえ方に少しずつ差があり論議のすれちがいがあることは止むを得ない過程かも知れない.
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