カラーシリーズ 手の外科・6
手の先天異常(その1)
田島 達也
1
1新潟大学整形外科
pp.288-291
発行日 1976年4月25日
Published Date 1976/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905328
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手指には多種類のまた非常に複雑で正確に命名することも困難な奇形がある.手に限局するものの他,前腕や上肢全体に及ぶもの,さらに全身的奇形の部分現象として現れ,特定の「症候群」と呼ばれているものもある.したがって分類法も複雑でいろいろあるが,ここではアメリカおよび国際手の外科学会でほぼ認められているものを第1表に示す.遺伝が認められるものは高々全体の20%以内で,それらのうち単発性のものは常染色体優性遺伝型式をとるものが圧倒的に多く,全身的(系統的)奇形では劣性遺伝または染色体異常を証明できる場合もある.遺伝相談は両親にとって関心の高い問題である.手は顔面と同じく常に露出されている器官なのでその奇形に対しては機能的ばかりでなく整容的再建の要望も強い.
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