論述
骨形成因子(Bone Morphogenetic Property:BMP)とその分解系(BMP-ase)について
岩田 久
1
Hisashi IWATA
1
1名古屋大学医学部整形外科学教室
pp.398-404
発行日 1974年5月25日
Published Date 1974/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904990
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はじめに
脱灰骨を臨床的に応用した症例がすでに19世紀にみられるが,成功例11)12)の存在にもかかわらず,その生物学的,生化学的な追求によるmechanismの研究は10年前まで,そのまま放置されていた.また一方,骨誘導,骨形成,異所性骨化などに関する実験的な試みも種々なsystemを用いて広くおこなわれている1,2,5,6,13,18).
実験的に骨ができてくる,いいかえれば実験的に骨を作ることができる系は大きく3つに分けることができる.すなわち,1)living tissueを筋肉内に移植する系で,これには,Urinary bladder mucosa6)を筋肉内に移植する場合,株化されたcell lineたとえばFL細胞1,9)を筋肉内に移植する場合,2)脱灰凍結乾燥骨18)などのdevitalized tissueを筋肉内に移植する場合,3)アルコール等の化学物質を筋肉内に入れて骨の形成をうながす場合,などがある.
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