境界領域
リウマチ性疾患のホルモン療法
熊谷 朗
1
Akira KUMAGAI
1
1千葉大学医学部第二内科学教室
pp.71-77
発行日 1973年1月25日
Published Date 1973/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904794
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
リウマチ性疾患といつた臨床的概念は整形外科と内科で大分の異なりがある.整形外科領域では慢性関節リウマチを中心とする疾患群をのべ,むしろ全身性エリテストーデスなどは除外されている.内科ではその病因,病態論より膠原病(全身の炎症性結合織疾患)を中心に考えられておるが,最近の内科書では急性リウマチ熱は膠原病よりはずして溶連菌感染症の内に入れられ感染症として取りあつかわれていることなどが一つの異つた点といえよう.
以上述べたように結合織をおかす,しかも自己免疫的色彩の強い疾患群で,病因,病態もきわめて類似しているが,治療を中心として考えた場合かなりの相違がある.たとえばrheumatoid arthritis(慢性関節リウマチ・RA)の場合は内科では全身症としてとらえながらももっともおかされる標的臓器が関節であるので,内科的疾患でありながら現実としてこの疾患をもっとも広く取りあつかつているのは整形外科であることも事実であるが,全身症という観点に立てば内科においてもRA患者を内科疾患として別な観点に立つてたちむかうべきと思うし,整形外科でないと治療し得ない分野もあり,欧米でみられるごときリウマチ科といつたものが今後科の壁をはずして治療さるべきであろうと信ずるものである.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.